この記事でわかること
「休み明けは、暖房を入れてもしばらく寒いまま」
「暖房費がかさむ一方で、工場は暖かくならない」
工場の寒さ対策というと、まず暖房を思い浮かべる方が多いと思います。ですが、暖房は「熱を足す」対策です。熱が逃げやすい建物では、足した熱もまた逃げていきます。
結論を先にお伝えします。工場の寒さ対策は「入れない → 逃がさない → 暖める」の順に考えるのが近道です。冷たい外気を入れず、暖めた熱を屋根や壁から逃がさない。そのうえで、足りない分を暖房で補います。
第1回では、秋田県の工場で2019年の冬に、遮熱材「リフレクティックス」を施工した棟と断熱材の棟の室温を比べ、暖房中の室温や、暖房を止めた休業日の室温に大きな差が出たことをご紹介しました。第2回となる本記事では、暖房を止めた後に注目します。
- 暖房を止めて一晩以上たった朝5時(2019年2月の27日分の平均):リフレクティックスの棟は10.9℃、断熱材の棟は6.1℃
- 年末年始の休業中、暖房なしの5日間(2020年1月1日〜5日):リフレクティックスの棟は7.4〜9.2℃、断熱材の棟は1.9〜6.3℃
※屋根の構造(ダブル折板/シングル折板)・面積・ストーブの台数が違う、同じ敷地の別々の棟の比較です。
あわせて、主な寒さ対策の比較と、暖房費の考え方、対策を選ぶ前に確認すべきことを解説します。
【セルフチェック】その寒さ対策、順番は合っていますか?
□ 冬になると、暖房機器を入れ替えたり、増やしたりしている
□ 休み明けは、暖房を入れても昼まで寒い
□ 灯油・電気・ガスなどの暖房費が、年々かさんでいる
□ 寒さ対策は、作業者の防寒着やカイロ頼みになっている
□ 屋根や壁の断熱・遮熱の状態を、確かめたことがない
2つ以上当てはまる場合: 熱を「足す」対策が先行して、熱の「逃げ道」が手つかずのままになっている可能性があります。暖房を増やす前に、建物の熱の出入りを確かめることをおすすめします。
株式会社仲井の無料現地診断では、建物内部の温度測定から、対策案・お見積りまで無料で行っています。
1. 工場の寒さ対策は「入れない → 逃がさない → 暖める」

STEP1 入れない: シャッターの開け閉めやすき間から入る冷たい外気を減らします。
STEP2 逃がさない: 暖めた熱が逃げる屋根・壁をふさぎます。平屋の工場は屋根の面積が大きく、熱の逃げ道として大きな割合を占めます。
STEP3 暖める: STEP1・2を行ったうえで、足りない分を暖房で補います。
熱の出入りを減らしてから暖房を考えると、同じ暖房でも暖まりやすくなり、必要以上に暖房機器を増やさずに済みます。
2. 実測:暖房を止めた夜と、長期休業中の室温
ここからは、第1回に続いて、秋田県で施工させていただいた工場のデータです。同じ敷地にある2つの棟を比べています。

| 第2工場(リフレクティックスの棟) | 第1工場(断熱材の棟) | |
|---|---|---|
| 面積 | 695㎡ | 1,012㎡ |
| 屋根・壁 | ダブル折板。 屋根と内壁にリフレクティックス | シングル折板(厚さ5mmの防露材)、壁は断熱パネル |
| 暖房 | 石油ストーブ 3台 | 石油ストーブ 5台 |
| 開口 (2019年冬) | 出荷作業のため、高速シャッターを1時間に3〜4回開け閉め | 一日中ほぼ閉め切り |
(2つの棟は屋根の構造や面積も違うため、温度差のすべてがリフレクティックスによるものではありません。2019年の測定当時の条件です。)
暖房を止めて一晩:朝5時の室温
どちらの棟も、直前の稼働日の終業時に石油ストーブを消しています。その後、一晩以上暖房を付けていない状態で朝5時の室温を、2019年2月の27日分並べたのが次のグラフです。

| 朝5時の室温(2019年2月2日〜28日) | リフレクティックスの棟 | 断熱材の棟 |
|---|---|---|
| 平均 | 10.9℃ | 6.1℃ |
| 最も低かった朝 | 8.8℃ | 2.7℃ |
| 10℃以上あった朝 | 27日中24日 | 27日中0日 |
断熱材の棟は、27日のうち12日が6℃を下回りました。一方、リフレクティックスの棟は、ほとんどの朝が10℃以上です。
年末年始の休業中:暖房なしの5日間
長期休業の間に建物そのものが冷え込むと、休み明けに暖房を入れても、暖まるまでに時間がかかります。年末年始に工場を休業していた間の室温を見てみます。

| 暖房なしの5日間(1月1日〜5日) | リフレクティックスの棟 | 断熱材の棟 |
|---|---|---|
| 室温の範囲(1日7回の測定) | 7.4〜9.2℃ | 1.9〜6.3℃ |
| 平均 | 8.6℃ | 4.2℃ |
| 1月5日 朝5時 | 7.4℃ | 1.9℃ |
| 外気温(気象庁 秋田) | 最高2.6〜5.8℃/最低−2.2〜1.0℃ | 同じ |
12月31日の朝は、断熱材の棟も8.9℃ありましたが、その日のうちに4℃台まで下がりました。年が明けてからは、外の冷え込みに合わせて上下しながら、外気温が最も低かった1月5日(最低−2.2℃)の朝には1.9℃まで下がっています。
リフレクティックスの棟は、暖房なしの5日間をほぼ8〜9℃で推移し、5日間でいちばん低い朝(1月5日)でも7℃台でした。この朝5時の2つの棟の差は5.5℃です。
2020年12月の寒波でも、同じ傾向
測定した年が違っても、同じ傾向が表れています。2020年12月14日(月)〜17日(木)の4日間です。
| 2020年12月14日〜17日の平均 | リフレクティックスの棟 | 断熱材の棟 |
|---|---|---|
| 朝5時 | 11.0℃ | 6.0℃ |
| その日の最高室温 (1日7回の測定のうち最も高い値) | 18.4℃ | 12.1℃ |
| 外気温(気象庁 秋田) | 最高−0.3〜2.3℃/最低−3.5〜−1.2℃ | 同じ |
3. 暖房費はどう変わる?

熱が逃げにくい建物では、同じ室温を保つために必要な暖房の熱量が少なくて済みます。暖房機器の台数や運転時間を抑えられれば、燃料費や電気代の抑制が期待できます。
建物ごとの具体的な効果を数字で確かめたい場合は、有償の省エネシミュレーションで、冷暖房費の削減率・CO2削減率・投資回収年数を試算することもできます(無料現地診断とは別のサービスです)。光熱費の考え方は ▶工場・倉庫の電気代高騰はなぜ?その原因と経営を救う「結果を出す投資」 もご覧ください。
自社の工場の現状を、無料で確かめませんか
無料現地診断では、建物内部の温度を測り、屋根・壁の構造を確認したうえで、対策案とお見積りをお出しします。暖房費の変化を数字で試算したい場合は、有償の省エネシミュレーションもご相談いただけます。
お問い合わせフォームの「ご希望項目」で「リフレクティックス導入について詳しく相談したい」を選び、お問い合わせ内容に「無料現地診断希望」とご記入ください。お電話(0532-62-5580)でも受け付けています。
確認すべきこと:対策を選ぶ前に、ここを押さえてください
1. 寒さの原因はどこか
出入口の近くだけが寒いのか、工場全体が寒いのか。前者ならすき間・出入口の対策、後者なら屋根・壁の対策が先です。何か所かで温度を測ると、原因の場所が見えてきます。
2. 長期休業中と休み明けの朝の室温
休み明けに、朝の室温を記録してください。外気温や日射でも変わりますが、休業中にどこまで下がるかは、建物の熱の逃げやすさの目安になります。
3. 暖房機器の台数と、燃料・電気の使用量
対策の前後で比べられるよう、今の暖房機器の台数と、月ごとの燃料・電気の使用量を記録しておきます。効果を数字で確かめる材料になります。
4. 夏の暑さの状況
夏も暑い工場なら、屋根・壁の遮熱で冬と夏の両方を対策できます。冬の対策だけで考えるより、投資の意味が大きくなります。
5. 施工する会社に聞くこと
遮熱材は、反射のための空気層の取り方や、結露への配慮で効果が変わります。「反射のための空間はどう確保しますか」「結露のリスクはどう考えていますか」と質問してみてください(▶遮熱工事で失敗しないための業者選び)。
今の時期に検討を始めるべき理由
- この冬の室温を測る — 数日間にわたって室温を測れば、自社の工場の熱の逃げやすさが見えてきます。現地診断で、建物内部の温度をあわせて確かめられます
- 暖冬の予想でも、寒波への備えは必要 — 日本気象協会は、この冬を全国的に暖冬傾向としながらも、一時的な寒波による急な冷え込みに注意が必要としています。第1回でご紹介した秋田県の工場では、2019年2月8日・9日の寒波の日の夕方(17時)、暖房中の室温がリフレクティックスの棟のほうが約7℃高くなっていました。
- 冬に検討を始めれば、夏に間に合わせやすい — 屋根・壁の遮熱は、夏は屋根から入る熱を跳ね返すので、暑さ対策にもなります(夏の実測データは ▶体育館の暑さ対策は「屋根」から|リフレクティックスの効果を体育館の実測データで検証)。屋根の工事は、現地診断、見積り、予算の確保、施工と段階を踏みます。冬のうちに動き出せば、次の夏の暑さ対策にも間に合わせやすくなります
まとめ:2回でお伝えしたこと
- 冬の工場が寒い大きな原因の一つは、暖めた熱が屋根や壁から逃げること。建物全体で見ると、熱の移動の75%は輻射(熱線)です
- 秋田の工場では、リフレクティックスの棟のほうが、暖房中の室温が高く、暖房を止めた朝や長期休業中も室温が高く保たれていました
- 寒さ対策は「入れない → 逃がさない → 暖める」の順に。屋根・壁の遮熱は、夏の暑さ対策にもなります
▶ 第1回:工場の寒さ対策は屋根・壁から|秋田の工場の冬季実測データで、2つの棟の室温を比較
よくある質問
Q. 折板屋根でもスレート屋根でも施工できますか?
屋根の種類や既存の断熱材の有無、工場の稼働状況によって、適した工法が変わります。折板屋根のほか、スレート屋根のカバー工法と組み合わせた施工事例もあります(▶スレート屋根のカバー工法+遮熱材リフレクティックスの施工事例)。現地で構造を確認したうえでご提案します。
Q. 暖房費はどのくらい下がりますか?
建物の構造や暖房の使い方によって変わるため、一律にはお答えできません。具体的な数字で確かめたい場合は、有償の省エネシミュレーションで、冷暖房費の削減率や投資回収年数を試算できます(無料現地診断とは別のサービスです)。
Q. 冬の工場の室温に、法律の基準はありますか?
労働安全衛生規則 第606条では、寒冷の屋内作業場で有害のおそれがあるものについて、暖房などの適当な温湿度調節の措置を講じなければならないとされています。この条文では、室温の数値までは示されていません。参考として、事務所衛生基準規則 第5条第3項では、空気調和設備のある事務所の室温を18℃以上28℃以下にするよう努めることとされています(事務作業をする人が主に使う「事務所」に適用される規則で、工場の作業場は対象ではありません)。
Q. 問い合わせた後は、どのような流れになりますか?
お問い合わせフォームかお電話でご連絡ください。フォームからのお問い合わせには2〜3営業日以内にご返信し、現地診断の日程をご相談します。現地診断とお見積りは無料です。
無料現地診断で、自社の工場に合った対策を確かめてください
株式会社仲井では、無料の現地診断を行っています。
診断内容
✓ 現地確認(建物の構造・屋根材・周辺環境の確認)
✓ 建物内部の温度測定
✓ 遮熱材リフレクティックスのご説明
✓ 見積り
✓ お客様の建物に合った対策案のご提案
無料現地診断のお申し込み
建物の温度を測るところから、対策案・お見積りまで無料です。フォームからのお問い合わせには、2〜3営業日以内にご返信します。
お問い合わせフォームの「ご希望項目」で「リフレクティックス導入について詳しく相談したい」を選び、お問い合わせ内容に「無料現地診断希望」とご記入ください。お電話(0532-62-5580)でも受け付けています。
まだ検討の初めの段階という方は、次の方法もご利用ください。
- 資料・サンプルを見たい方:お問い合わせフォームの「ご希望項目」で「リフレクティックスの資料・サンプルが見たい」を選んでください
- 施工した工場を見てみたい方:「リフレクティックス体感会に申し込みたい」を選んでください。見学は無料で、見学先と日程は建物の条件をうかがったうえでご提案します(▶体感見学のご案内)
株式会社仲井は、建築板金90年以上(1933年創業)の屋根・外壁の専門会社です。リフレクティックスの施工実績は全国No.1、50万㎡以上・110棟以上(※100㎡以下の小規模物件を除く)・全国32都道府県。秋田県をはじめ、雪の多い地域の建物にも施工しています。施工は遮熱施工管理士が管理します。
出典
- 外気温:気象庁「過去の気象データ」秋田の日別値(2020年1月、2020年12月)
- 労働安全衛生規則(e-Gov法令検索)
- 事務所衛生基準規則(e-Gov法令検索)
- この冬の見通し:日本気象協会 tenki.jp「2026〜2027年冬は全国的に暖冬予想 ただし急な寒波と大雪に注意」(2026年9月30日)、気象庁「季節予報」(寒候期予報 2026年9月18日発表) https://www.jma.go.jp/bosai/season/



